UWSCでアプリケーションを操作しよう【初級編 第2回】
UWSCでアプリケーションを自動化する基本を学ぶ
前章で紹介したUWSCを使って実際にアプリケーションを自動で動かすプログラムを作成していきましょう。
アプリケーションの起動方法から始まり、目的の操作をするためにはどのように入力すればよいかを調べる方法、そしてアプリを閉じるまでです。
そして、この講座で登場したUWSCのコマンドについて、その場で随時解説をしていきましょう。ここで登場するコマンドはすべて基本的なものに使用頻度の高いものばかりですので是非使えるようになりましょう。
目的のアプリケーションを起動する
まずはアプリケーションを起動するところからです。
Windowsにデフォルトで入っているメモ帳を自動で起動しましょう。メモ帳も立派なアプリケーションです。ここからは、メモ帳アプリケーションを例に自動化を説明していきますが、これはみなさんのパソコンに共通して入っているアプリケーションだからです。みなさんの自動化したいアプリケーションはそれぞれ異なっているでしょうが、起動方法や操作方法の基礎はどれも同じです。
メモ帳を起動するには起動コマンドを実行しなければいけません。起動コマンドとは、拡張子が「.exe」となっているもののことであり、これを実行することによりアプリケーションが起動します。メモ帳の起動コマンドは「notepad.exe」です。
Windows10の方は左下の「ここに入力して検索」の欄(Windows7の方は左下の「スタート」ボタンを押して検索バーを表示させます)に「notepad.exe」と入力します。それを「右クリック」して「ファイルの場所を開く」を選択します。
すると、「notepad.exe」が入っているフォルダが開くでしょう。
このフォルダのパス(ファイルの場所)とファイル名を書くと、
です。つまりメモ帳を起動したい場合はこの「C:\Windows\System32\notepad.exe」を実行すればよいということです。
では、UWSCでどのように書けばこれを実行できるのでしょうか。それには「EXEC」コマンドを使います。使い方は以下に示す通りです。
今の場合、[起動コマンド]には「C:\Windows\System32\notepad.exe」が入ります。
では、UWSCのファイルを作りましょう。適当な場所に新規テキストファイル「メモ帳の自動操作.uws」を作り、中に以下のコードを書き込みます。
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EXEC("C:\Windows\System32\notepad.exe") |
保存して閉じたらこれをUWSCソフトで再生します。デスクトップにあるUWSCのショートカットアイコンを開いて、「メモ帳の自動操作.uws」を選択し、再生してください。※この一連の動作は第1回講義で解説しました。忘れた方は見直しましょう。
再生後にメモ帳が開いたでしょうか?これで起動までのプログラムが完成しました。
ここではあらかじめ起動のコマンド「notepad.exe」が分かっていました。ですが自分が自動化したいアプリケーションの起動コマンドが分からない場合もあると思います。そんなときはインストールしたフォルダの場所を探して「.exe」というファイルを見つけるか、デスクトップなどにショートカットアイコンが存在するのならそれを「右クリック」から「プロパティ」を選びます。するとリンク先の欄に起動コマンドが書いてあるでしょう。
メモ帳の操作を自動化する
続いて、メモ帳の操作の自動化に入ります。自動化する操作は、
という操作にしましょう。いまの「メモ帳の自動操作.uws」はメモ帳を起動するコマンドが書いてあるだけです。
この下にコマンドを追記していきましょう。まずは、「I’m sleepy」と入力します。これにはキーボードを自動操作にすればよいでしょう。
第1回講義でもちょっとだけ登場しましたが、キーボードキーを押すには、
と書きます。「?」の部分には押したいキーを書きます。また[待機時間]にはこのコマンドを実行するまでの待機時間をミリ秒(1秒の1/1000秒)単位で書きます。初めの文字は「I」ですので、「?」の部分は「I」となります。待機時間は「0」とすると入力が速すぎてうまくいきませんので、10程度にしておきましょう。「メモ帳の自動操作.uws」は以下のようになります。
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EXEC("C:\Windows\System32\notepad.exe") KBD(VK_I, CLICK, 10) |
これを実行してみます。するとメモ帳は、
となるでしょう。「i」が入力されています。しかし、本当は大文字の「I」を入力したいですよね。「KBD(VK_I, CLICK, 10)」はキーボードの「I」キーを入力するコマンドですので、このような結果となりました。大文字にするには、「Shift」キーを押しながら「I」キーを押す必要があります。そんなときは以下のコマンドを使います。
KBD(VK_?), UP, [待機時間]
はじめのコマンドは「CLICK」だったのが、「DOWN」と「UP」に変わっています。「DOWN」はキーを押しっぱなしにするコマンド、「UP」は押しっぱなしのキーを戻すコマンドです。
これを使えば、「I」キーを押す前に「Shift」キーを押しっぱなしにすればよさそうです。「I」キーを押した後は「Shift」キーを戻します。つまり、以下のようになるでしょう。
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EXEC("C:\Windows\System32\notepad.exe") KBD(VK_SHIFT, DOWN, 10) //「Shift」キーを押しっぱなしにする KBD(VK_I, CLICK, 10) //「I」キーを押す KBD(VK_SHIFT, UP, 10) //「Shift」キーを戻す |
「Shift」キーは「VK_SHIFT」です。これで大文字の「I」が入力されるはずです。
ちなみに「//」はコメントアウトコマンドと言い、この後に書いた部分はコマンドとして扱われず、無視してプログラムが動きます。そのため、メモを残しておいたりするときに便利です。
続いて、「’」を入力しましょう。これも同様に「Shift」キーを押した状態で、「7」キーですね。なのでここまでを「Shift」キー操作の間にまとめて書いてしまいましょう。
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EXEC("C:\Windows\System32\notepad.exe") KBD(VK_SHIFT, DOWN, 10) //「Shift」キーを押しっぱなしにする KBD(VK_I, CLICK, 10) //「I」キーを押す KBD(VK_7, CLICK, 10) //「7」キーを押す KBD(VK_SHIFT, UP, 10) //「Shift」キーを戻す |
後は、「m sleepy」の部分ですがこれは簡単です。完成版は以下のようになります。
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EXEC("C:\Windows\System32\notepad.exe") KBD(VK_SHIFT, DOWN, 10) //「Shift」キーを押しっぱなしにする KBD(VK_I, CLICK, 10) //「I」キーを押す KBD(VK_7, CLICK, 10) //「7」キーを押す KBD(VK_SHIFT, UP, 10) //「Shift」キーを戻す //「m sleepy」の入力 KBD(VK_M, CLICK, 10) KBD(VK_SPACE, CLICK, 10) KBD(VK_S, CLICK, 10) KBD(VK_L, CLICK, 10) KBD(VK_E, CLICK, 10) KBD(VK_E, CLICK, 10) KBD(VK_P, CLICK, 10) KBD(VK_Y, CLICK, 10) |
これを実行した結果を下の画像に示します。
では、次はこれを保存する作業です。注意すべきは、自動化はできるだけマウス操作ではなくキーボード操作で再現できるようにするということです。第1回講義時に見ましたが、マウス操作だと、どこをクリックするかを画面上の位置で指定します。なので、アプリケーションを開く位置が少しでもズレてしまうとうまく動かなくなってしまうからです。ですのでできるだけキーボードで同じ操作をできる手順を探していきましょう。
メモ帳をキーボードだけで保存するにはどうしたらよいでしょうか?ここから先は、第3回講義でやっていきましょう。
おわりに
ここでは、メモ帳アプリケーションを起動して文字を打ち込むところまでを自動化しました。この後、保存して閉じるところまでを第3回の講義で自動化していきます。
すでに述べたように、アプリケーションの自動操作は基本的にはキーボード操作で行うのが良いやり方です。次回は、「どのようにして操作に適したキーボードキーやショートカットキーを見つけ出していくのか」や「第2回で作成した自動化プログラムの改良」を行っていきます。
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